クルー考 その5 ペイドクルーについて

日本ではあまり馴染みのない「ペイドクルー」。実は欧米ではこれが組合があるほどしっかりした組織的な職業となっている。それぞれが様々な海の資格を取り、有名な船に乗ってスキルをみがきステップアップしているのだ。リクルートもしっかりした仕組みが存在していて主にネットで盛んに行われ、またクルーの専門雑誌「Dock Walk」http://www.dockwalk.com/ という雑誌もありその中にはクルーのスキルを磨く様々な情報からリクルート情報まで詰まっている。1002944_10151511483947476_71096962_nそれぞれ航海、機関、料理、サービスなどの職域を持っているが共通して、航海の安全、ゲストへのサービスへの徹底がなされている。もちろん、船の掃除もそれぞれがこなす。2012_1102_000536-IMG_4927 2012_1102_000539-IMG_4928 2012_1102_000547-IMG_4931海外のマリーナではこのペイドクルーが入っているかどうかはさんばしにもやわれている船を見ればピカピカさが違うので一目瞭然。

ほとんどがオーナーに雇われるのではなく、その船を任されている船長がオーナーから予算をもらい直接船長に雇われる。そのため、船長の人柄、技量によってもクルーの質がちがってくる。

やはりしっかりした船長のもとには優秀な人材が集まり、結束も固く、仕事も早い。これは男性だけではなくスチュワーデスと呼べれる女性も多い。

彼らは、常に勉強をしていて、例えば新しい寄港地のことは事前に本を取り寄せ回し読みをし、ゲストに何を聞かれてもそこの文化、歴史、見所、観光などを即答できるくらい。

もちろん語学もひとり数カ国の言葉をしゃべれるように勉強、どんなゲストにも対応できるようにしている。船の中の生活での衣食住は船持ち、サラリーもそのスキルによって違うが、普通のサラリーマンよりは高額。そのかわり、VIPであるゲストに失礼のないような教養が求められる。日本のように海乞食ではなく、プライドを持って最良のサービスを提供しているのだ。って、ちょっと言い過ぎかなー

クルー考 その4 スポーツフィッシャーマン

いやー、しばらくバタバタで途中で放り出していたら、「その後、どうなったの」とお叱り、すみません。

さて、クルーを考えるのに役割がきっちりせざるを得ないのがカジキなどを追いかけるスポーツフィッシャーマン!2003小名浜0002それは例えば28フィートのこのような船でも、デッキハンドと呼ばれるクルーのチームとキャプテン、アングラーが一体となって数百キロにもなる海のモンスター、カジキとファイトするからだ。実際にこの写真はファイト中でこの時は3人で205kgのブルーマリンを揚げました。

ヘミングウエイの「老人と海」のセバスチャンのように独りでカジキをおいかけ   2003小名浜0005る方もいらっしゃいますが(汗)、なにも漁師ではないんだし、あくまでゲームフィッシングとしてデッキハンドの教育は必要!なぜって、ファイト中のひとつのミスがラインブレイクにつながるからです。そのために、チームとしてファイト中のシミュレーションをするくらいです。

さて、デッキハンドの仕事は出航前から始まります。丁寧なところは前日入りして釣り道具ののチェック。ルアーの針先研いだり、キャプテンがチョイスした水域に合わせたルアーを潮水につけてルアーヘッドを馴染ませたり、もちろんリールのドラッグテストなどを酒を飲みながら準備します。

船の操船ももちろん手伝います。離着岸のフェンダーやもやいロープのケア、航行中のウオッチなどキャプテンの補助。そして肝心なゲームのタクティクスを練ります。

さて、ゲーム海域に着くと鳥の動き、潮の流れなどカジキ釣りのヒントとなるウオッチは欠かせません。そしてルアーをリールにセットして流します。ルアーの泳ぎ方が適正か、調整は必要かも見なくてはなりません。大抵5本は流しますのでみんなで担当を決めて行う場合もあります。さて、かじきがヒットすると、アングラーはハーネスなどをつけてファイトの準備、デッキハンドはヒットした竿以外の収納に追われます。この時ほとんどパニック状態となるので、いかに冷静に素早くデッキをきれいにするかがデッキハンドたちの腕の見せどころ!

ファイティングチェアーがある場合は、一人はアングラーの椅子の角度を調整。そしてかじきがよってきたら、まずはリーダーマンがテグスを取ります。そして船側にかじきを寄せてきてビルを掴んだところでギャフマンがギャフをかけます、もしくはタグ(票)をかじきに打ち込み、ルアーを回収してリリースの準備。つまりキャプテン、アングラー、リーダーマン、ギャフマンの4人が望ましいチーム構成です。もちろん、上記の写真のように2人、3人で役割を兼務してゲームをこなすこともありますが。

いずれ、デッキハンドと呼ばれるクルーそれらの役割をきちんと教育し、シミュレーションなどをして訓練、技量を高めるのはキャプテンの責任でもあります。

 

クルー考 その3

Miami11-4 483こういうスピードボートのクルーはちょっと特別。スロットルマンというのかな?スロットル専門とステアリング専門にそれぞれ分かれ、オフショアレースの時などはそれにプラス気象、海象コースなどを指示するナビゲーターという構成。ステアリングとスロットルを一人づつに分けるのは、エンジンが大馬力でちょっとしたアクセルミスでエンジンが焼けてしまわないように。例えば波で船体が跳ねてプロペラが空中に飛び出した時などは、スロットルマンは瞬時にアクセルを調整しないと、プロペラがレーシングしてしまい、過負荷がかかってエンジンを壊してしまう。3基がけなんてエンジンでは真ん中のチルトを調整して船の安定度をましたり。もちろんステアリングを司っている人は波の入り方、それに集中して変化する海面にあわせてハンドルを切っている。スピードの限界を走るのだからそうなりますよね!

クルー考 その2

クルーを考えるときにそれぞれの立場になって考えてみると、

ひょっとしたらオーナーは、船に乗せてやるんだから手伝って当たり前!なーんて思っているかもしれない?

そしてクルーとなってしまうゲストは、うわーお金持ちの世界、楽しみ!僕が(私が)できることがなにかあればいいなー(でないと、船の上で手持ち無沙汰になってしまうかも!ましてやお金持ちのオーナーの手前好き勝手にはできない遠慮がある)

ちょっと船に乗った経験のある方なら、あの時のことを思い出して経験者として手伝おうと考えるからです。302014_533202526722858_538350532_n

近からず遠からずでは??

でーも、だからといって船で何をやればいいのかをお互いに理解してないと

なーんだ、使えない!

なーんだ、何をやっていいいのかもわからないのに、そんなにとんがるなよ

と、なりがちではないでしょうか??ひとつの船、お互いに逃げ場はないんですなー。そしてその船、周りからも見られていることをお忘れなく。クルーの技量は船長の技量なんです。その船長(オーナー)が離着岸の時に大声でクルーを怒鳴っているのも見ますが、あれはお互いに不幸!だったら事前にお互いにどうやるかを打ち合わせをすべきなんです。でないと、怒られている方も????、ならばいいですが、二度と海に、船になんか乗るか、なんてね

そして、このなにをやるべきかをお互いに周知すること、ってのは案外難しいのかもしれません。相手を頼りにすると同時に、これくらいはわかるだろうという気持ちがあるからかもしれません。

これが一番問題!

なぜって、船によって、例えばカジキを釣ることのためのクルー、デッキハンドと、サロンクルーザーのクルー、ブルーウオーター派のセイリングボート、レース艇ヨット、スピードボート、それぞれ基礎は一緒なんですが、でも全く違う動きをそれぞれ乗ったことのある船で少なからず教育されていなくても経験しているからなんです。

 

 

クルー考 その1

2012_0219_010200-IMG_0437船、小さい船ならまだしも、そこそこの大きさになると一人で動かすのは辛くなる。

そこで、船の操船を手伝ってくれたりするクルーという存在。前から言われていたのだが、そのクルーについてシリーズでお話をしたい。

船の性格によってクルーを導入するかどうかは、それこそオーナーの考え方次第だが、独りで海を行くよりは、航海に習熟したお手伝いが乗ってくれればそれだけ安全度は増す。

なぜって、まずは航行中、何にも障害物がないように見える海は、実は行き交い船がたくさんいたり、流木や漁具が潜んでい、離岸着岸の際にはフェンダー(防舷材)やもやいの準備をしなくてはならない。カジキを狙うフィッシャーマンであればデッキハンドと呼ばれる役割を持ったチームが必要だし、大型の船でキッチンがちゃんとしている船であればコックさんや様々なサービスをしてくれるクルーが必要。セーリングボートでは、帆を操るクルー、レース艇になると役割分担がはっきりした戦略的な人員を必要になってくる。

その船の性格によってのクルーの役割、必要な人員、募集の仕方や実際、どんなケアが必要かなどをシリーズで書いていきます。

東京リバークルーズ(日本橋、御茶ノ水、スカイツリーなど)

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こんにちは。ボースンのRです。

先週の土曜日ヤマハのレンタルボートをみんなで楽しむ会に行ってきました。
http://wonderdriving.com/archives/2013/01/-boat130119.html

image集合は勝どきマリーナです。
初めて来ましたが、レンタルボートと教習艇だけに特化したマリーナという感じです。
コースは2コース。

1.御茶ノ水、日本橋、スカイツリーコース コースはこちら
2.荒川ロックゲート、ゲートブリッジコース
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