シーマンシップとは(Annapolis Book of Seamanshipより)


シーマンシップとは(Annapolis Book of Seamanshipより)おはようございます。週末帰ってきた船の掃除などを済ませ今日は久しぶりの休みということで月曜日の夜に鎌倉の家に戻ってきました。
外は雨!せっかくの休日、サーフィンをと思ったのですが、あいにく波もなく、しかも時差ボケで夜中に目が覚め(3:00)、さーて、何をするかなーと考えて屋根裏にある書庫から懐かしいな~と取り出したのが分厚いハードカバー、「The Annapols Book of SEAMAN SHIP」という本です。この本は、本当にむかーし、まだ僕が駆け出し船乗りのころに入手して読み漁った本です。いわば僕の字引き!ボースンのR君が盛んに読みたがっていた本です。

その中に、なーんとシーマンシップとはという項目を見つけ、それで書き写してみようかなーと
でも長いんです!難解なんです。もちろんこの項目以外の所にも弱者救済などの基本的シーマンシップが書かれていますが、抜粋してここを書き写しますね!
まー、秋の夜長、ご興味ある方はどうぞ
(以下、本文抜粋:出典 The Annapolis Book of SEAMAN SHIP, John Rousmaniere著)

Part 3 SEAMANSHIP  Being Self-Sufficient and Surviving Heavy Weather Chapter 12
シーマンシップとは、もっとも広い意味ではあらゆる種類の状況、あらゆる天候条件でボートを楽しみ、これを安全に扱うことをいう。
基本的な船の取り扱いと操舵の原則とテクニックをマスターし、新しい技術の習得を続けながら、船上で自信を持って自給自足できる人のことである。アンカーリング、荒天下のセーリング、非常事態への対応、エクイップメントの保守ということはすべてシーマンならば心得ていなければならない。そしてシーマンシップの人間的要因、セーリングの心理的および肉体的側面についても考える。スキッパーはどうすればうまく命令することができ、クルーはどう従うのが最適か、けがをせずに様々な事柄に対処するにはどうすればよいか。これらのことはセーラーの生活をするうえでとても大切なことである。

スキッパー
誰かが責任を引き受けなくてはならない。どこへ行くか、何を食べるか、何時に出港するかといったことについて、クルーが意見を出すことができるが指揮官が一人いなければならない。この指揮官は、聡明な船乗りで、操舵、モーターとセールの取り扱い、アンカリング、パイロティング、および船とクルーに一日を安全に過ごさせる上で必要な様々な雑事をもこなせる人である。責任を任せるのがうまく、教えまた学ぶことに意欲があり、何よりも責任を引き受ける能力のあるリーダーである。どんな指揮官にも言えることだが、リーダーシップと独裁との間の微妙な線上をいかなければならない。
娯楽用ボートの場合、これはとくに難しいことである。軍隊の小隊とか企業の一部門とは違い、まったく自由意思の組織だからである。みんなで楽しむためにセ-リングに出るので、楽しくなければ多くの人は船を下りてしまうであろう。
戦艦バウンティー号のウイリアム・ブライ艦長は優れたシーマンであり、非常時には素晴らしい指揮官であるが、ブライという名を聞いただけで部下よりも自分の艦を大切にした心の狭い冷酷なワンマンというイメージがわいてくる。スキッパーが自分の船を大切にしなくてはならないのは事実であるが、同時に自分は全能者でなく対等な人たちの一番目であるという姿勢が必要である。
スキッパーは、一日の、あるいはクルーズの手順をはじめから決めておくべきである。まず最初にしなくてはならないのは、クルーが船の不可欠なエクイップメントについてその使い方や収納場所を知っているかどうかを確かめることである。次に緊急時対応、非常時エクイップメントのありかと使い方を教えるべきである。そのうえで非常時にとるべき手順について冷静に話し合っておく必要がある。
旅程が一日を超える時には副指揮官をセーラーとしての腕前とリーダーとしての資質を備えた人に任命すべきである。
次に行うべきことは権限の委譲。(中略)自分が役に立っているという満足感が得らる。(中略)正しいやり方と間違ったこと、各仕事をどのように、どういう理由で、あるべき結果を見せ、説明しなくてはならない。人によって不得手もありそれを見極め本人が満足を味わえるようにすることが最良、セーリングの醍醐味を共有できることが大切だ。

クルー
船のクルーは自分自身と船上のあらゆる人に対して責任があるのだから、自分の責任を遂行する能力に限界を感じたら正直に認めるべきである。自分の能力を誇張したり、誤解を招くようなまたは嘘の回答をしてはならない。仕事を正しくやりたいという人をばかにする人はいないだろうが、能力があるふりをして実はないことがわかってしまったらポセイドンの怒りが落ちるであろう。聞き方はあるが、素直に、わからないことは聞くような姿勢を心がけるべきだ。
「片手は自分のために、片手は船のために」という古い習わしは、船の仕事をしているときには、自分のことは自分で(危険から守る、他人に迷惑をかけないなどなど)という意味でもある。あと省略

と、ありました。どうですか?

20121106-052258.jpg


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA