「港内は、引き波の立たない速度で航行してください」未だにマリーナの拡声器から流れてる。
以前のように回転をあげてブワーッと走る船はさすがに少なくなりましたが、アイドルスピードで走っていても船によってはギアの設定が速く、それでは引き波が立ってしまうことがあります。
桟橋に係留している船はちょっとの引き波に反応して揺れちゃうので、例えば鍋にお湯なんぞ沸かしている時は大変!
にしても、港内は他の船に迷惑がかからないように走らなければ!
僕の乗っている船も、両舷のクラッチをつなぐとかなり速いので、片舷づつクラッチを入りきりして港内の航行をしています。
また、観音崎あたりは手漕ぎボートが多く、正直あの狭くややこしいところで手漕ぎボートなんか貸すなよと言いたいんですが、とにかくたくさん浮いています。まず見づらいんだな。最近旗を立てるようになりましたが、それでも気をつけていないと発見が遅れます。しかも、蜘蛛の子ちらしたように航路全面にブワーット浮いて釣りしてるんです。
必然その中をボートが突っ込んで行くことになりますが、その時、もし引き波で小さいボートがひっくり返ってしまったら!海難審判が待っています。しかも、東京湾海上交通センターの真下!
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僕も以前30フィートくらいの船でアンカー落として釣りをしたことがありますが、いきなり船が揺れて、というか暴れてパニックを起こしたことがあります。昼時で飯を食いながら釣りをしていたんですが、片手に釣竿、片手にスープだったと思うのですが、いきなりの揺れに自分の体もホールドできず危険な状況に慌てました。ギャレイで料理をしてくれた女の子の悲鳴。ギャレイは包丁から食材からぶちまけられていました。何だろうと思ったらかなり離れていたんですが45フィートのスポーツフィッシャーマンがカットんで行ってました。その引き波が遅れて襲ってきたんです。この恐怖は経験しないとわからないだろうな。
それ以来、僕が乗っている船より小さい船の脇を航行する時には、できるだけ引き波の影響がないようにと考えて走らせています。