出港準備


出港準備

出港準備
毎月行う定期点検や各種の清掃、船の搭載品棚卸し、航海計画の立て方などの説明はまた改めていたしますね。
今回は、出港直前準備の話。

まずは、当日前に予め立てた航海計画、燃料残量がその日の航海計画に間に合うのか、何処で給油できるのか、食材、飲料をはじめとし様々な必要と思われるものの買い出しと船への搬入、気象海象情報、寄港地の予約、必要なクルーの手配、釣りであれば漁港の水揚げ情報、黒潮情報、などの様々な事前準備された事柄の確認をいたします。
もちろん、マリーナへの出港届けもお忘れずに!

そして、久しぶりでも週一の出港でも、出港準備として各種点検は必ず行います。何故って、車と違い船には退避できる路側帯もないし、特に機関停止は広い海とはいえ命取りになるからです。

まずは、クルー同しでその日の航海計画のあらましと注意点、天気概況の説明、寄港地情報、迎えるゲストの情報と目的をキャプテンが中心になってブリーフィングします。各々の時計が2ー3分もずれているとビッタリ行動ができなくなるので時計合わせもした方が宜しいでしょう。これらを事前に打ち合わせをしておくことで、その日の航海の危険リスクを少なくすることに役立つからです。

それぞれのスイッチをon.
そして、
エンジンやジェネレーター(発電機)の点検。
最低、オイル量、冷却水量、ベルトの緩みの3箇所は必ずチェック。
燃料残量、清水タンク残量、各航海計器、灯火の点検をします。我々はプロなのでその他、トイレやシヤワールーム、タオルやベッドメークなどのチェック、各ポンプ類の動作チェック、

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温水チェック、冷暖房機の動作チェックをクルー複数の目で重複確認を行います。
ゲストをお迎えするためにそれぞれのカバーを取り外し、様々なセッティングを完了させます。これは、船にいらしたゲストにすぐにお茶やコーヒー、各飲料、氷、レモンの輪切りや食材の下ごしらえなど出来るだけ手早く用意できるようにするためですが、もちろん、グラス類の磨きをはじめタオルやお手拭きの準備までします。

 

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そして、エンジン暖気運転。
負荷をかける前にオイルが行き渡るように80度前後まで温めます。今はだいぶ寒くなってきたので30分くらいかけます。その際、冷却水がちゃんと排出されているか、排気ガスが正常かを見ます。たまにキングストンコックが閉められていたりインペラが正常ではなかったり、冷却水取り入れ口に貝などが付着し充分な量が排出されていないことがあり、洋上でオーバーヒートされると困るからです。
冬などは、エンジンが温まっていない間は白い生ガスっぽいものが出ますがそれはまだ温まりきっていないためにガスが燃え切っていないことがありますのであまり心配しないでもokです。ただ、いつまでたっても白いガスのままや匂いが強かったり、黒いガスが排気されているのはちょっと問題かも。あと、冷却水にオイルや燃料が海面に出ていないかも様子を見ます。出ていれば程度にもよりますがエンジンが不健康な兆候、問題かも。
動いているエンジン全体を見回し、オイルが漏れていないか、何か異変がないかを見ます。
それらの確認を済ませてから、陸電を発電機に切り替え陸電コードの収納、もやいのシングルアップ、これはすぐに出港できるように最低限の片舷のもやいだけ残して収納いたします。
さらに、船内の倒れやすいものや壊れやすいもの、ウエルカムドリンクなどを収納、定位置に整理いたします。
そして、人間の準備。クルーはライフジャケットを着用し、防寒着を一枚多く準備します。ゲストにはひざ掛けなど洋上では陸よりは必ず寒いからです。

さらに、舫を切る手順と操船説明。
風向きによって、どこの舫から順番に切るのか、セイノで同時に切るのか。切って船が動き出した時にどういう注意、喚起をしなくてはならないのかをクルー全員で確認し役割分担をして出港準備を終えます。
如何です?

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