クルー養成講座 第1回 シーマンシップ


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クルーのRです。

ビジネスでその人がどんな人か判断するには、その部下を見ろとよく言われてますが、船も同じです。キャプテンの力量はクルーの動きを見れば分かります。他にも舫いの取り方や船の佇まいなど判断基準は色々ありますが、クルーについて書いてみます。

新人クルーの教育をする際に、自分が楽できるように書きますが、何かみなさんの参考になる部分があればうれしいです(^O^)

私が今の船に乗ることになった際、まず始めにキャプテンから叩き込まれたのはシーマンシップについてです。

ウィキペディアや辞書を調べれば色々な事が書いてあり、定義は人それぞれです。個人的な意見なので、そういう考えもあるよね〜ぐらいの捉え方をしていただけると助かります。

「強いものが弱いものを助ける」
観音崎沖では手漕ぎボートやカートップボートがたくさん釣りをしています。大きい船の引き波は当然大きいので、自分たちでは気付きにくいですが、手漕ぎボートからしたら驚異です。1人で出航して釣りに夢中になっている時に、大型艇の引き波を横から喰らおうもんなら最悪落水か転覆します。

こういうケースで引き波の影響が無いように、
・十分に離れる
・速度を落とす(ハンプ状態では、むしろ引き波は大きくなるので注意)
・気付くのが遅れて引き波の影響がありそうな場合は誰かが必ず落水、転覆してないか確認する(万が一落水した場合、すぐに対応出来るように)
というように注意しています。

「腹に溜め込まない」
船遊びは「板子一枚下は地獄」と言うように、命がかかった遊びです。船ではキャプテンが最終決定権を持っていますが、お互いに得意分野は違うのでリスペクトしています。私たちの船では思った事は腹に溜め込まず、必ず口に出すように教えられました。

何故なら船はムカつく奴を、沖に出た時に背中を押すだけで簡単に殺すことが出来る環境だからです。

他人である以上、価値観や意見は必ず違うので、お互いに納得がいくまで話すようにしています。

「楽しむ」
遊びで船に乗る人、仕事で乗る人、様々ですが、私たちはペイドキャプテン、ペイドクルーとして乗っています。

キャプテン、クルー同士が楽しんで仕事している姿は、来船したゲストに必ず伝わります。レストランで、厨房とホールが仲が悪いレストランって雰囲気がイヤなのと同じだと思います。無理に楽しくするのは難しいですが、楽しめる部分をちょっとずつでも増やせるといいですね。

ま〜一言でまとめると、シーマンシップとは相手の立場に立って考えて行動するっていうことだと思います。

つづく


クルー養成講座 第1回 シーマンシップ” への2件のコメント

  1. 素晴らしい!
    おっしゃる通りです!!!
    お陰様で僕は素晴らしいクルーに恵まれてハッピーっす
    みーんなで楽しみ、狭い空間の船の中でオーナーはじめゲストの方々がまた来たいと思っていただけるように雰囲気のみばかりか、頼られる存在になったらカッコいいでー
    by Capt.

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