フポーツフィッシング


フポーツフィッシングトローリング1
スポーツフィッシングにはいくつかあるが、簡単には類別できないが、人間が餌に模した疑似餌を作って、それで魚を釣り上げるのがスポーツフィッシングと言っても過言では無かろう。
僕がやっているのは大物狙いのソルトウオーター・スポーツ・フィッシングだ。疑似餌もかなり大きく、船に引いてもらい泳がせて魚などに模する。
そのため、この釣りにはリールやルアーなどとあわえて、船が大きな要素になってくる。もちろん、日本の海は午前中穏やかな海でも、午後になると熱っせられた陸に向かって海風が吹き、それは沿岸の地形にもあいまって、大きな波となる。そこを走り抜けるにはタフなボートが必用となる。
一概に船というと、ヨーロッパは主に波の無い地中海を楽しむ繊細なデザインのクルーザー、スピードは出ないが北欧の荒海を乗り越え走る排水型のトローラー(写真は、やはり僕の憧れの一つでもあるグランドバンクス。美しいでしょう!昨年取材したときのものです)
グラバンそして米国東海岸を中心に発達したスポーツフィッシャーマンなどがある。
本場米国には、その市場規模から多種多様な造船所があり、もちろんカスタムメイドからプロダクションボートまで様々。気を付けなくてはいけないのは主な市場の中にはアメリカの五大湖をメインに考えて作った船や、インランドシー(内海)しか考えていないという船も多い。そのため、日本の荒海にちょっと揉まれてしまうと、エンジンマウントが踊ったとか、船内の家具が飛び出してきたと笑うに笑えない船も多かった。
我々がかじきを求めて出る外洋に限らず、日本の沿岸の海は一日中凪いでいると言うことが少ない。
ひとたび荒れ出すと乗船者の命を託した船、それこそ遊びが命がけになってしまう。そのために、実際に荒海でテストを繰り返し作られた安心な船が求められるのは当然だ。
東海岸にも北から南まで、海の実情がことなりそれに合わせるように地域的な個性が造船に刷り込まれていくようだ。
浮沈構造で有名になった、ボストンホエラー。東海岸のまんなからへんにバイキング、オーシャンヨット、エッグハーバーなど。そしてかじきの豊富な荒海を控えたキャロライナ地方には無数の造船所があり、ハトラス、DAVIS、アルベマーレと言った有名どころがある。さらに南に下りフロリダあたりとなると、ツナタワーやファイティングチェアーを開発した老舗ライボビッチ、ガーリントン、バートラムと個性豊かな船の造船所がひしめく。
何故かウエストコーストの造船所には、スポーツフィッシャーマンとしてはCABOがあるくらいで有名どころが育たないのは、やはりその海の特色によるもののようだ。
数々のすばらしいスポーツフィッシャーマンのインプレッションをした中で、ではどの船?と問われれば、スポーツフィッシャーマンとしては僕は迷わず独特なキャロライナフレアーを持つ、ノースカロライナの造船所を選ぶだろう。その中でも、24フィートから41フィートまでのラインナップを取りそろえて、船を持とうという現実に立ち返ると、やはり質実剛健なアルベマーレを挙げる。憧れのハードボイルド作家、北方謙三氏もこのアルベマーレ310をその走りに魅了されて所有されている。最近のハトラスなども革新的なデザインを取り入れて魅力はあるが、なんといっても50フィートという超贅沢な船。価格も1億円では勿論効かず、その維持費も考えると現実的ではない。もちろん、その上にはDavisという造船所、これは伝説の人とも言えるバディー・デービスが造ったボートだが、もうスポーツフィッシャーマンの中ではほぼセミカスタムでその品位を含めて夢の夢だ。(ブログにあるJIBTにはそのDAVISに載せて貰っての参加でしたが)
アルベ1
そこで、このアルベマーレ。
東海岸の潮がぶつかり合って難所として有名なハトラス岬の近くに造船所があるこのアルベマーレの船は、質実剛健。波の中の走りがとても強い。米国の市場でもプロダクション艇としてはかなり高額なこの船が沢山売れてい、評価が高いのはその実績と言える。
その秘密は、船の船体はFRPというガラス繊維を織り込んだ強化プラスチックで出来ているのだが、その作りの丁寧さとその厚み。実はだいぶ前にアルベマーレからハルのモールド(ひな形)を日本にもってきて、日本で積層して造ったらいくらかかるかをやってみたことがあるのだが、指示されるクオリティー通りに造っていくととんでもない価格となってしまう。
米国で見せて貰ったプロモーションビデオに、38口径のスミスアンドウエッソンを至近距離からこのアルベマーレのハル(船体)に打ち込むのだが、その弾丸を羽根化してしまうほどの強さに仕上げられている。
さらに、そのモールドは立体的な波の中での挙動を考え、3次元的な工夫が随所に凝らし、全体のバランス良く作り込まれているのだ。
次回は、以前に訪れたことのあるアルベマーレの工場の写真を用意し、僕の憧れのアルベマーレを紹介しましょう!


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