もやいの基本

新人クルーが入ってくるとまず教えるのはもやい。
この船では古参のクルーが新人君に教えるようにしています。
舫いというのは、太古からの船の歴史の中で積み上げられ洗練された形となったロープの扱い方です。目的に応じて無駄が削ぎ落とされたものです。色々なロープワークがあるので、本などを開くとこんなに沢山覚えなければならないの?とたじろぎますが、船では以下の4っつを覚えれば大丈夫!

まずはもやい結び。ボーラインノットともいいます。

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輪っかを作るロープワークですが、この輪っかがどんなに力をいれても締まらない輪っかのまんまでいてくれるものです。でもほどく時には簡単にほどけます。僕がヨットを中学の頃始めた時、これが目をつぶってできないと、海には出させてもらえませんでした。もし、落水した時に、自分でこの輪っかを作って自分の体をホールドさせるからです。しかも、海中でやることを想定して目隠しして作らされました。 続きを読む

帰港

さー、いよいよひと段落となる帰港、もしくは寄港。マリーナが見えてきたあたりで海が平穏であればMAXスロットルにします。これは、エンジンにクセをつけさせないため。ズーッと巡行速度で走っていたのでその日のエンジンアワーの5%を回すと良いとエンジン屋さんに言われています。ピストンの内壁にクセがつかないようにという意味があります。一時間で30秒。その間、エンジン温度が上がらないか、変な振動がないかを注意してください。場合によってはクルーをエンジンルームに張り付かせる場合もあるくらいです。港にはいる前、maxからスピードを巡行に戻したあたりでクルーと事前打ち合わせ。寄港地など勝手がわからない場合は現場を見て判断となりますが、クルーがフェンダーやもやいを用意する時間も考慮してください。狭い港に入ってしまって、クルーの準備を待つ間その場待機となると、出入りの船などもありリスクが増えるので、港の外の平穏なところで待ちます。

 

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アンカーリング

取材旅行から戻りました。旅先で面白い船があったのでそれはまた紹介いたしますね。
今回は、出港準備、航行と続いたのでその流れでアンカーリング。
アンカリングこそ、スマートにやりたいものです。
だって、止めようとしている船がアタフタしているとカッコ悪いもの。

まずはアンカーリングすべく泊地の選定。
よく聞くのは風向き関係なくこの間ヨカッたからそこ行こうと言われますが、なぜ良かったのかの理由が一番問題です。

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航行

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出港いたしました!の流れで「航行」
ゲストをケアするために一人はゲストの居る所で目立たぬようにそれとなくゲストワッチをしてもらっています。飲み物などのサービスだけでなく船酔いは大丈夫か、トイレに閉じこもっていないかも。
手の空いているクルーはヘルムを取る僕の脇でワッチ。

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出港

出港準備を書いてしまったので、その流れで進めましょう。ただ、これらはこのwebにも掲載しています月刊パーフェクトボート誌にて連載した「スマートキャプテン、6:4の法則」にも重複していますので、予めご了承の程。

さて、出港。出港準備でクルー全員と段取りの打ち合わせをした通り行います。
基本は、風下のもやいロープから順序切って行き、風上のもやいを切る時には船と桟橋や岸壁に隙間が自然に作れていることが望ましいのです。もしできていない時は、

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出港準備

出港準備
毎月行う定期点検や各種の清掃、船の搭載品棚卸し、航海計画の立て方などの説明はまた改めていたしますね。
今回は、出港直前準備の話。

まずは、当日前に予め立てた航海計画、燃料残量がその日の航海計画に間に合うのか、何処で給油できるのか、食材、飲料をはじめとし様々な必要と思われるものの買い出しと船への搬入、気象海象情報、寄港地の予約、必要なクルーの手配、釣りであれば漁港の水揚げ情報、黒潮情報、などの様々な事前準備された事柄の確認をいたします。
もちろん、マリーナへの出港届けもお忘れずに!

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